女と男と子供の近代

なる本。ボリュームも少なく、なかなか面白くて1時間ばかりで読んだ。

平均寿命も踏まえて、子供が子供である時代は18世紀頃かららしい。子供という括りはなく、小さな大人という扱い。

マッチ売りの少女は正規の働き手?営業マン?だからかな、大人達がマッチを買ってくれなかったのは。

小公女の話も時々トンチンカンだけど、当時の価値観を調べてみると納得できるような、できない様な。

いつも本番中の「子供の顔」は子供の顔ではない。

勿論演奏も大人よりグッと引き締まってる事が多いです。だから子供達の音楽が好きなの!

素晴らしい人類の遺産の様なピアニストも好きだけど、ほんの1分・3分、すうっと一気に弾き上げる集中力と小さな世界に盛り込まれた音と表現が魅力的。

盆栽やジュエリー、懐石料理の世界観に似てるのかなぁ。

B P時代学校のコンサートは学生無料で足繁く通ったけど、シフやコチシュより若い学生の渾身の演奏に鳥肌が立ったりした。

演奏中はどんなにか大人びて思慮深い子か、と思うけど、音が消えた瞬間に子供の顔がぱっと戻り、はしゃぐ姿は何とも愛らしい。

感じる心は大人。

17世紀には女性は不完全な劣ったもの、18世紀には公私の私、19世紀は立派な男子を育てる、為に母親と妻である事を常識的価値観としてきた、というのが印象的。

でも一方で、教会では貞淑な妻を気取りつつ、家では家事を疎かにし夫に暴力を振るっている風刺もあるそうな。

へー。でもなんだかんだで、オフィシャルな価値観はともかく、人の心は今と変わらないんじゃない?

仲良くそれぞれの形で幸せに子供を守り育ててたんじゃないかなー。なんて。

みんな。ドンファン、わかったかな?